読売新聞のコントラの衛生管理の報道について

2014-06-25

先日読売新聞にてコントラの滅菌をすべてに行なったほうが感染防止につながるという報道がありました。これについて当院の見解を述べます。まず感染防止には完全ということは無く、常に衛生管理について考究しなければならないということがとても大切であるということをご理解いただきたいと思います。日頃より結論ありの討論は危険だと考えています。

衛生管理は費用をかけることにより高度化できます。極端な話をすると患者さん一人一人に専用の歯科医院を建てれば感染予防は完全です。医院は共有しても良い、治療のときに座るイス(ユニット)は共有しても良い・・・・と共有するものが増えるに従い感染の可能性が高くなるといえます。

報道ではすべてのコントラを治療ごとに滅菌すればよいということでした。確かにこれを行なうと感染確率は減ると思います。しかし費用対効果に疑問があります。コントラを治療ごとにオートクレーブ滅菌すれば感染防止になるという考え方がシンプル過ぎるからです。

オートクレーブにはグレードがあり、グレードによって性能が異なります。器具により性能の低いオートクレーブと高いものを使い分ける必要があります。また、コントラは非常に複雑かつ精密で構造はいくつもの細いパイプが通っています。高熱滅菌の効果は表面と内部で、またはオートクレーブの性能で有意差がでます。オートクレーブ滅菌を頻回行なうことによってコントラの性能が劣化するのが早くなるのにともない、変形したり錆びたりすることにより滅菌効果が変化するという要素もあります。

感染対策はHIVやB型肝炎ウイルスなどウイルスが主眼です。一般細菌については当然可及的化学的機械的に除去するべきですが、基本的に口腔内常在細菌量は圧倒的です。ウイルス感染については、主に血液感染が考えられると思いますがコントラを経由して感染する可能性が低くても全く無いとはいえないと考えます。

報道では国内での感染例はなく、米国は1例あったとのことでした。これはウイルスが宿主細胞の外で生活することはできずすぐに死滅することや、歯科スタッフによって器具の化学的機械的清掃による衛生管理が行なわれていたためだと考えて矛盾しません。

コントラに関しては水を出してそこに空圧をかけてスプレーを発生させる管があり日常的に利用していると石灰化してつまっていきます。また、歯を削るためのダイヤモンドバーを挿入する口には挿入後にダイヤモンドバーを保持するためのシステムが複雑に絡み合っています。この石灰化物や外部から付着した汚れに患者様の血液が付着する可能性があり、エタノールのついた医療用コットンで凹凸を可能な限り表面清掃した後、リーマーによる機械的清掃で石灰化物除去を行なえば、機能や衛生管理上優れているのではないかと考えられます。エアー孔はリーマー♯10の4mm程度で清掃できます。

 

 

 

 

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